前立腺がんとは
前立腺がんとは、前立腺に発生する悪性腫瘍で、男性のみにみられます。
男性においては、大腸がん、肺がん、胃がんを抑えて罹患率が最も高いがんですが、前立腺がんは比較的進行がゆっくりであり、早期の段階で発見し、適切な治療が行われた場合には、5年生存率はほぼ100%とされています。
このがんの増殖には男性ホルモンが関与しており、近年では男性ホルモンを強力に抑える効果をもつ薬剤が登場したことで、前立腺がんの多くは治癒、あるいは長期に良好なコントロールが期待できる時代になっています。
一方で、進行した場合には治療が難しくなることもあるため、早期発見が極めて重要です。
当院では、PSA採血によるスクリーニングやフォローアップ、日帰り前立腺針生検による診断を行い、患者さんの状態に応じた治療を提供しています。
主な症状
前立腺がんは、初期には症状が出にくいのが特徴です。進行すると、次のような症状が現れることがあります。
- 尿が出にくい、尿の勢いが弱い
- 排尿回数が増える、夜間頻尿
- 排尿時の違和感や残尿感
- 血尿や血精液症
- 腰や背中、骨の痛み(進行した場合)
これらの症状は、前立腺肥大症など他の病気でもみられるため、症状だけで判断することはできません。
当院で行える検査
前立腺がんが疑われる場合、患者さんの不安に配慮しながら、段階的に検査を行います。
- 問診
排尿症状の有無、既往歴、家族歴などを詳しく伺います。 - 血液検査(PSA検査)
前立腺特異抗原(PSA)の値を測定し、前立腺がんの可能性を評価します。 - 直腸診
前立腺の硬さや形を確認します。 - 超音波検査(エコー)
前立腺の大きさや内部の状態を確認します。 - 低線量CT検査(必要に応じて)
がんの広がりや転移の有無を評価する目的で行います。 - 前立腺針生検
直腸や皮膚を経由し針で組織を採取する唯一の診断方法となります。
検査結果は、患者さんに分かりやすく説明し、今後の方針を一緒に考えていきます。
当院で行う治療
前立腺がんの治療は、がんの進行度や患者さんの年齢、生活状況を踏まえて選択します。
- 薬物療法(内分泌療法)
前立腺がんの増殖に関与する男性ホルモンの働きを抑える治療を中心に行います。
早期がんの場合は、内服薬や注射によるホルモン治療で対応します。
また、進行がんに対しても、新規ホルモン剤を用いた治療を行っています。 - PSAによる経過観察・フォローアップ
治療効果の判定や病状の把握のため、PSA検査を用いて継続的に経過を確認します。 - 放射線治療・手術療法のご案内
病状に応じて、専門医療機関と連携し、適切な治療をご紹介します。 - 症状緩和・生活支援
排尿症状や痛みに対する治療を行い、生活の質(QOL)にも配慮します。
治療方針は、患者さんと十分に相談しながら決定します。
こんな症状は早めにご相談ください
次のような場合は、早めの受診をおすすめします。
- 尿の出にくさや排尿トラブルが続いている
- 血尿や血精液が出た
- 検診などでPSA高値を指摘された
- ご家族に前立腺がんの既往がある
- 排尿症状が急に悪化してきた
「症状が軽いから」「年齢のせいだと思っていた」という段階でも構いません。
気になることがあれば、早めにご相談ください。