性感染症とは

性感染症とは、主に性行為(性器・口腔・肛門を介した接触)によって感染する病気の総称です。原因は細菌・ウイルス・原虫などさまざまで、淋菌やクラミジア、梅毒、ヘルペス、HIVなどが含まれます。
感染してもすぐに症状が出ないことや、症状が軽く自然に治ったように感じることもありますが、放置すると重症化したり、パートナーへ感染を広げてしまうことがあります。また、男女で症状の出方が異なり、とくに女性では無症状のまま進行するケースも少なくありません。
性感染症は、早期発見と適切な治療によって多くがコントロール可能です。「もしかして」と感じた段階で受診することが、ご自身と大切な人を守ることにつながります。

主な性感染症

クラミジア感染症

クラミジア感染症とは

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという細菌によって起こる性感染症で、若い世代を中心に非常に多くみられます。
性行為(性器・口腔・肛門)を介して感染し、約2週間後に症状が出現します。女性では自覚症状が乏しいまま進行することが多いのが大きな特徴です。
特に女性の場合、症状が軽いために感染に気づきにくく、子宮や卵管へ炎症が広がり、骨盤内感染症(PID)を引き起こすことがあります。進行すると卵管の癒着などを来し、将来の不妊や子宮外妊娠の原因となる可能性もあるため注意が必要です。
「症状がないから大丈夫」「一時的な違和感だった」と受診が遅れるケースも少なくありませんが、気づかないうちに感染を広げてしまう可能性があるため、早期の検査と治療が重要です。

主な症状

クラミジア感染症の症状は男性と女性で大きく異なることが多く注意が必要となります。具体的には以下のような症状がみられる場合があります。

男性

  • 排尿時の違和感・軽い痛み
  • 尿道から透明〜白色の分泌物
  • 精巣や陰嚢の違和感、軽い痛み

女性

  • おりものの増加、においの変化
  • 排尿時の違和感
  • 下腹部の鈍い痛み
  • 性交時の痛みや出血

女性の場合では特に症状がないまま経過することも多く、「パートナーが感染していたことをきっかけに検査を受けた」という患者さんも少なくありません。

当院で行える検査

不安を感じている患者さんに配慮し、できるだけ負担の少ない方法で検査を行います。

  • 問診(症状の有無、感染機会、パートナーの状況など)
  • 尿検査(男性、女性)
  • 膣分泌物検査(女性)
  • PCR検査
  • 咽頭・直腸検査(必要に応じて)

検査結果は、患者さんに分かりやすく説明し、今後の対応を一緒に考えていきます。

当院で行う治療

クラミジア感染症の治療は、抗菌薬による内服治療が基本です。

  • 抗菌薬の内服(1日〜数日間)
  • 症状や生活状況に応じた治療選択
  • 治療後の治癒確認検査(再検査)

症状が改善しても、自己判断で服薬を中断しないことが重要です。また、パートナーも同時に検査・治療を行うことで、再感染を防ぐことができます。

こんな症状は早めにご相談ください

  • 排尿時の違和感や軽い痛みが続いている
  • 分泌物やおりものの変化が気になる
  • パートナーがクラミジアと診断された
  • 症状はないが、感染の可能性が心配
  • 過去に治療したが、再発が不安

「この程度で受診していいのか迷う」という段階でも構いません。
気になることがあれば、早めにご相談ください。

淋菌感染症

淋菌感染症とは

淋菌感染症は、淋菌(りんきん)という細菌によって起こる性感染症です。
主に性行為で淋菌に感染すると、2~6日程度の潜伏期間を経てから発症します。
女性の場合は目立った症状が出ないことも多いのですが、男性の場合は、尿道炎による排尿痛や排膿などの症状が強く現れることがあります。
なお、女性は無症状か軽度のため見過ごされやすいのですが、きちんと治療を受けておかないと、骨盤内炎症性疾患になったり、不妊の原因になったりします。

主な症状

症状の出方には個人差があり、感染部位によっても異なります。

男性に多い症状

  • 排尿時の強い痛み、しみる感じ
  • 尿道から黄色〜黄緑色の膿が出る
  • 尿道のかゆみ、違和感
  • 精巣や会陰部の痛み(進行した場合)

女性に多い症状

  • おりものの増加、色やにおいの変化
  • 排尿時の痛み
  • 下腹部の違和感や痛み
  • 不正出血

のど・直腸に感染した場合

  • のどの痛み、違和感(症状が出ないことも多い)
  • 肛門の違和感、分泌物、軽い出血

女性では「症状が軽い」「全く症状がない」という方も少なくなく、気づかないうちにパートナーへ感染させてしまうことがある点が、淋菌感染症の大きな特徴です。

当院で行える検査

  • 問診
    症状の有無、性行為の状況、感染の心配がある時期などを丁寧に伺います。
  • 尿検査
    男性の尿道感染が疑われる場合に行います。
  • 分泌物検査
    尿道・膣・のど・直腸などから検体を採取します。
  • 核酸増幅検査(PCR法など)
    淋菌の有無を高い精度で調べる検査です。
  • 他の性感染症の同時検査(必要に応じて)
    クラミジアなど、同時感染が多いため併せて調べることがあります。

検査方法や結果については、患者さんに分かりやすく説明し、今後の対応を一緒に考えます。

当院で行う治療

淋菌感染症の治療は、抗菌薬による治療が基本となります。

  • 注射による抗菌薬治療
    現在は耐性菌対策のため、注射薬が第一選択となることが多くなっています。
  • 症状や感染部位に応じた治療選択
    のど・直腸感染の場合も含め、適切な薬剤を選択します。
  • 治療後の治癒確認検査
    治療が確実に効いているかを確認するため、再検査を行うことがあります。
  • パートナーへの対応のご案内
    再感染を防ぐため、パートナーの検査・治療についてもご説明します。

自己判断で治療を中断すると再発や耐性菌の原因になるため、医師の指示通り最後まで治療を行うことが重要です。

こんな症状は早めにご相談ください

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 排尿時の強い痛みや膿が出ている
  • 性行為後に尿道やのどの違和感が続いている
  • おりものの変化や下腹部の痛みがある
  • パートナーが淋菌感染症と診断された
  • 症状はないが感染の可能性が心配

「受診するほどではないかも」「恥ずかしい」と感じる方もいらっしゃいますが、早めに検査・治療を行うことが、ご自身とパートナーを守ることにつながります。
気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

梅毒

梅毒とは

梅毒とは、「梅毒トレポネーマ」という細菌によって起こる性感染症です。
主に性行為(膣性交・口腔性交・肛門性交)を通じて感染しますが、皮膚や粘膜の小さな傷からも感染するため、コンドームを使用していても完全に防げないことがあります。
近年、日本では梅毒の患者数が再び増加しており、特に若年層から中高年まで幅広い年代で報告されています。
梅毒は進行段階によって症状が変化するのが特徴で、症状が一度消えても治ったわけではなく、治療をしないと体内で進行していきます。
早期に診断し、適切な治療を行えば完治が可能な感染症であるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。

主な症状

梅毒は進行段階によって症状が異なります。

第1期(感染後 約3週間〜3か月)

  • 性器・口・肛門などにしこりや潰瘍(硬性下疳)
  • 痛みがないことが多い
  • 鼠径部(足の付け根)のリンパ節の腫れ
  • 痛みがなく自然に治ったように見えることがありますが、治癒ではありません。

第2期(感染後 数か月)

  • 全身に赤い発疹(手のひら・足の裏に出ることも多い)
  • 発熱、だるさ、リンパ節の腫れ
  • 喉の痛み、脱毛
  • 口の中や性器に白い斑点

第3期・第4期(数年〜数十年後)

  • 皮膚や臓器に腫瘤(ゴム腫)
  • 心臓・血管・神経への障害
  • 認知機能障害や運動障害が出ることもある

「症状が消えたから大丈夫」と思ってしまい、気づかないうちに進行するのが梅毒の怖さです。

当院で行える検査

梅毒が疑われる場合、症状の有無にかかわらず、適切な検査を行います。

  • 問診
    症状の経過、性行為の状況、過去の感染歴などを丁寧に伺います。
  • 血液検査(梅毒抗体検査)
    感染の有無や進行状況を調べます。
  • 皮膚・粘膜病変の診察
    しこりや発疹がある場合は状態を確認します。
  • 他の性感染症の同時検査(必要に応じて)
    HIVなど、同時感染がみられることがあるため併せて検査する場合があります。

検査結果は患者さんに分かりやすく説明し、治療や今後の注意点について丁寧にお伝えします。

当院で行う治療

梅毒の治療は、抗菌薬(ペニシリン系抗菌薬)が基本となります。

  • 内服薬または注射による治療
    病期に応じて、適切な治療方法を選択します。
  • 治療期間中の経過観察
    治療効果を確認するため、定期的な血液検査を行います。
  • 治療後のフォローアップ
    抗体価の低下を確認し、治癒までしっかりフォローします。
  • パートナーへの対応のご案内
    再感染防止のため、パートナーの検査・治療についても説明します。

途中で治療を中断すると再燃や進行の原因となるため、最後まで治療を続けることが重要です。

こんな症状は早めにご相談ください

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 性器や口、肛門に痛みのないしこり・潰瘍がある
  • 全身に発疹が出てきた(特に手のひら・足の裏)
  • 原因不明の発熱やだるさが続いている
  • パートナーが梅毒と診断された
  • 症状はないが感染の可能性が心配

「自然に治ったと思っていた」「症状が軽いから様子を見ていた」という方も多くいらっしゃいますが、早期に検査・治療を行うことで、将来的な合併症を防ぐことができます。
少しでも不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

性器ヘルペス

性器ヘルペスとは

性器ヘルペスとは、「単純ヘルペスウイルス(HSV)」によって起こる性感染症です。
主に性行為(膣性交・口腔性交・肛門性交)による皮膚や粘膜の接触で感染します。
原因ウイルスには以下の2つがあり、近年は口腔性交を介してHSV-1型による性器感染も増えています。

  • HSV-1型(口唇ヘルペスの原因になることが多い)
  • HSV-2型(性器ヘルペスの主な原因)

性器ヘルペスの大きな特徴は、一度感染すると体内にウイルスが潜伏し、再発を繰り返すことがある点です。
初めて感染した際(初感染)は症状が強く出やすく、再発時は比較的軽い症状で済むことが多いとされています。

口唇ヘルペスとの関係について

性器ヘルペスは、性器同士の接触だけでなく、口唇ヘルペスの原因ウイルスが口腔性交などを介して性器に感染することで発症する場合があります。
口や唇に水ぶくれや痛みなどの症状がある時は、性器への接触を控えることが大切です。
気になる症状がある場合や、感染の可能性が不安な場合は、症状が軽いうちでもご相談ください。

主な症状

症状の出方や重さには個人差があります。

初感染時に多い症状

  • 性器や肛門周囲の水ぶくれ・小さな潰瘍
  • 強い痛み、ヒリヒリ感
  • 排尿時の痛み
  • 発熱、倦怠感、リンパ節の腫れ
  • 下腹部の違和感

再発時に多い症状

  • 同じ場所に小さな水ぶくれが出る
  • かゆみや違和感のみで軽く済むこともある
  • 数日〜1週間程度で自然に改善することもある

「最初はかゆみだけだった」「疲れた後に症状が出た」という経過で受診される患者さんも少なくありません。

当院で行える検査

症状や経過に応じて、必要な検査を行います。

  • 問診
    症状の始まり、再発の有無、過去の感染歴などを確認します。
  • 視診
    水ぶくれや潰瘍の有無、部位や状態を確認します。
  • ウイルス検査(必要に応じて)
    水疱内容物の検査や血液検査で診断の参考とします。
  • 他の性感染症の検査(必要に応じて)
    同時感染の可能性があるため、併せて検査を行うことがあります。

症状が出ていない時期でも、状況に応じて検査や相談が可能です。

当院で行う治療

性器ヘルペスの治療は、抗ウイルス薬による薬物療法が中心です。

  • 抗ウイルス薬の内服
    症状の程度や初感染・再発に応じて処方します。
  • 早期治療による症状軽減
    症状が出始めた早い段階で治療を始めることで、症状の悪化や期間短縮が期待できます。
  • 再発予防の相談
    再発を繰り返す場合、生活習慣や体調管理についてもご案内します。
  • パートナーへの配慮・説明
    感染予防や注意点について丁寧に説明します。

ウイルスを完全に体内から排除する治療はありませんが、適切な治療で症状をコントロールすることが可能です。

こんな症状は早めにご相談ください

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 性器や肛門周囲に水ぶくれ・潰瘍ができた
  • ヒリヒリする痛みや強い違和感がある
  • 排尿時に強い痛みがある
  • 発熱や全身のだるさを伴っている
  • 繰り返し同じ場所に症状が出る

「恥ずかしくて相談しづらい」「自然に治ると思っていた」という患者さんも多くいらっしゃいますが、早めに治療を行うことで、症状の悪化や再発リスクを抑えることができます。
不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマとは

尖圭(せんけい)コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって、性器や肛門周囲にイボ状の病変ができる性感染症です。
痛みやかゆみがほとんどないことも多く、「見た目の変化」で初めて気づく患者さんも少なくありません。
感染してから症状が現れるまでには数週間〜数か月かかることがあり、感染のタイミングが分かりにくい点も特徴です。放置しても自然に治ることは少なく、徐々に数が増えたり、大きくなることがあるため、早めの診断と治療が大切です。

主な症状

症状の出方や程度には個人差がありますが、次のような所見がみられます。

  • 性器や肛門周囲に小さなイボができる
  • イボが鶏のトサカ状・カリフラワー状に増える
  • 触れるとざらつきがある
  • 痛みやかゆみはほとんどないことが多い
  • 下着の擦れや排尿時に違和感を覚えることがある

「痛くないので様子を見ていたら、いつの間にか増えていた」という患者さんも少なくありません。

放置するとどうなる?

尖圭コンジローマを治療せずに放置すると、次のようなリスクがあります。

  • イボが増殖・拡大し、治療が長期化する
  • 再発を繰り返しやすくなる
  • パートナーへ感染を広げてしまう可能性がある
  • 見た目や心理的な負担が大きくなる

早期に治療を始めることで、治療期間や再発リスクを抑えることが期待できます。

当院で行える検査

尖圭コンジローマが疑われる場合、患者さんの不安に配慮しながら、必要な検査・診察を行います。

  • 問診
    症状が出た時期、変化の経過、感染リスクの有無などを伺います。
  • 視診・触診
    イボの形状・大きさ・数・部位を確認し、他の疾患との鑑別を行います。
  • 必要に応じた追加検査
    他の性感染症が疑われる場合には、併せて検査をご提案します。

多くの場合、視診のみで診断が可能です。

当院で行う治療

尖圭コンジローマの治療は、病変の大きさや数、部位に応じて選択します。

  • 外用薬による治療
    イボに直接塗布する治療薬を使用し、徐々に病変を消失させます。
  • 物理的治療(必要に応じて)
    凍結療法や焼灼など、状態に応じた処置を行います。
  • 再発予防のフォロー
    治療後も定期的に状態を確認し、再発の早期発見に努めます。

治療方法や期間については、患者さんの生活状況やご希望も踏まえて丁寧にご説明します。

こんな症状は早めにご相談ください

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 性器や肛門周囲にイボ状のものができた
  • イボが増えてきた、大きくなってきた
  • 痛みはないが、見た目が気になる
  • パートナーに同様の症状がある
  • 過去に尖圭コンジローマを治療したことがある

「恥ずかしい」「受診しづらい」と感じる方も多い疾患ですが、早めに相談することが、治療を軽く・短くする一番の近道です。
気になる変化があれば、お気軽にご相談ください。

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマ感染症とは

マイコプラズマ感染症は、Mycoplasma genitalium(マイコプラズマ・ジェニタリウム)などの細菌によって起こる性感染症です。近年、クラミジアや淋菌に次いで注目されている感染症で、尿道炎や子宮頸管炎の原因となります。
マイコプラズマは非常に小さな細菌で、通常の細菌検査では検出できないことがあり、原因不明の症状が長引くケースの背景に潜んでいることも少なくありません。
また、一般的な抗菌薬が効きにくい場合があり、適切な診断と治療選択が重要な感染症です。

主な症状

症状は軽いことも多く、気づかないまま経過する患者さんもいます。

男性に多い症状

  • 排尿時の違和感・軽い痛み
  • 尿道からの分泌物(少量・透明なことが多い)
  • 下腹部や会陰部の違和感

女性に多い症状

  • おりものの増加、においの変化
  • 不正出血
  • 下腹部の違和感・痛み
  • 排尿時の違和感

「検査ではクラミジアや淋菌が陰性だったのに、症状が治らない」という場合に、マイコプラズマ感染症が見つかることもあります。

放置するとどうなる?

症状が軽いため放置されやすい感染症ですが、治療せずにいると次のようなリスクがあります。

  • 尿道炎・子宮頸管炎が慢性化する
  • 骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こす可能性
  • 不妊症の原因となることがある
  • パートナー間で感染を繰り返す
  • 抗菌薬が効きにくくなり、治療が難しくなる

自覚症状が軽くても、感染が続いている状態そのものが問題になることがあります。

当院で行える検査

症状や経過を丁寧に確認し、必要な検査を行います。

  • 問診
    症状の内容、経過、治療歴、パートナーの状況などを伺います。
  • 尿検査・分泌物検査
    遺伝子検査(PCR法)により、マイコプラズマの有無を調べます。
  • 他の性感染症検査(必要に応じて)
    クラミジア・淋菌などとの同時感染が疑われる場合は併せて検査します。

原因がはっきりしない症状に対しても、段階的に原因を探ることを大切にしています。

当院で行う治療

マイコプラズマ感染症は、薬剤選択がとても重要です。

  • 抗菌薬による治療
    検査結果や治療歴を踏まえ、効果が期待できる抗菌薬を選択します。
  • 治療後の確認検査
    治療後に菌が消失しているかを確認することが重要です。
  • パートナー治療のご提案
    再感染を防ぐため、パートナーの検査・治療をおすすめする場合があります。

治療経過や注意点については、患者さんが不安を感じないよう、丁寧にご説明します。

こんな症状は早めにご相談ください

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 排尿時の違和感や軽い痛みが続いている
  • 分泌物やおりものの異常がある
  • クラミジア・淋菌は陰性だったが症状が改善しない
  • パートナーがマイコプラズマ感染症と診断された
  • 繰り返し尿道炎・子宮頸管炎を起こしている

「はっきりした症状がないから」と放置せず、気になる変化があれば早めにご相談ください。

ウレアプラズマ感染症

ウレアプラズマ感染症とは

ウレアプラズマ感染症は、Ureaplasma urealyticum/Ureaplasma parvum などの細菌によって起こる性感染症です。尿道や子宮頸管に感染し、クラミジアやマイコプラズマと似た症状を引き起こすことがあります。
ウレアプラズマは、健康な人の体内に少量存在することもあり、感染=必ず発症するとは限らないのが特徴です。そのため、症状が軽い、あるいは無症状のまま経過する患者さんも少なくありません。
一方で、症状が続く尿道炎・子宮頸管炎の原因として関与している場合や、不妊・妊娠経過への影響が問題となることもあり、状況に応じた判断と治療が重要です。

主な症状

症状は軽度なことが多く、気づかないまま経過することもあります。

男性に多い症状

  • 排尿時の違和感や軽い痛み
  • 尿道のむずむず感、不快感
  • 尿道からの分泌物(少量・透明〜白色)

女性に多い症状

  • おりものの増加や性状の変化
  • 下腹部の違和感
  • 排尿時の違和感
  • 不正出血

「検査でクラミジアや淋菌は陰性だったが、症状が続いている」という場合に、ウレアプラズマが関与していることもあります。

放置するとどうなる?

症状が軽いため見過ごされがちですが、放置すると次のような影響が出ることがあります。

  • 尿道炎・子宮頸管炎が長引く
  • 他の性感染症と合併し、治りにくくなる
  • 骨盤内炎症性疾患(PID)の一因となる可能性
  • 不妊症や妊娠経過への影響が指摘されることがある
  • パートナー間で感染を繰り返す

「無症状だから問題ない」と自己判断せず、症状や背景を踏まえて判断することが大切です。

当院で行える検査

患者さんの症状や状況を丁寧に確認し、必要な検査を行います。

  • 問診
    症状の有無や経過、過去の治療歴、パートナーの状況などを伺います。
  • 尿検査・分泌物検査
    PCR法による遺伝子検査で、ウレアプラズマの有無を確認します。
  • 他の性感染症検査(必要に応じて)
    クラミジア・マイコプラズマなどとの同時感染を考慮し、併せて検査することがあります。

検査の必要性や意味についても、患者さんに分かりやすく説明します。

当院で行う治療

治療が必要と判断された場合、症状や検査結果に応じて対応します。

  • 抗菌薬による治療
    ウレアプラズマに有効な抗菌薬を選択し、内服治療を行います。
  • 治療効果の確認
    必要に応じて、治療後に再検査を行います。
  • パートナーへの配慮
    再感染防止のため、パートナーの検査・治療をご案内することがあります。

症状が軽い場合や、治療の必要性が判断しにくいケースでは、経過や背景を踏まえて慎重に方針を決定します。

こんな症状は早めにご相談ください

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 排尿時の違和感や不快感が続いている
  • おりものや分泌物の変化が気になる
  • 他の性感染症は陰性だが、症状が改善しない
  • パートナーがウレアプラズマ感染症と診断された
  • 不妊や妊娠に関する検査で指摘を受けた

「この程度で相談してよいのか迷う」という段階でも構いません。
気になる症状や不安があれば、早めにご相談ください。

HIV感染症

HIV感染症とは

HIV感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV) に感染することで起こる病気です。
HIVは体の免疫機能を担うリンパ球(CD4陽性T細胞)を徐々に減少させ、感染や病気に対する抵抗力を低下させていきます。
感染初期には、風邪やインフルエンザのような症状が一時的に出ることがありますが、その後は自覚症状がない期間(無症候期)が長く続くのが特徴です。
この間もウイルスは体内で増殖しており、治療を行わずに経過すると、免疫力が大きく低下した状態(AIDS:後天性免疫不全症候群)へ進行します。
現在は治療法が大きく進歩しており、早期に診断し、適切な治療を継続すれば、日常生活を送りながら長期に安定した経過を保つことが可能です。

主な症状

HIV感染症は、時期によって症状が異なります。

感染初期(感染から数週)

  • 発熱、のどの痛み
  • 全身のだるさ、筋肉痛
  • 発疹
  • リンパ節の腫れ
  • 風邪や他のウイルス感染と区別がつきにくく、見過ごされやすい時期です。

無症候期

  • 目立った症状はほとんどありません
  • 数年〜10年以上続くこともあります

進行期(免疫力低下後)

  • 繰り返す感染症
  • 長引く発熱、体重減少
  • 口腔カンジダ症、肺炎など日和見感染
  • 悪性腫瘍の発症

「症状がないから大丈夫」と思っている間に、病気が進行してしまうことがあります。

放置するとどうなる?

HIV感染症を治療せずに放置すると、次のような経過をたどります。

  • 免疫力が徐々に低下する
  • 通常ではかからない感染症(日和見感染)を発症する
  • AIDSを発症し、生命に関わる状態になる
  • 治療開始が遅れるほど、回復に時間がかかる

一方で、早期に治療を開始すれば、ウイルス量を抑え、発症や重症化を防ぐことができます。

当院で行える検査

患者さんの不安に配慮し、プライバシーを重視しながら検査を行います。

  • 問診
    感染の可能性がある時期や状況、体調の変化について伺います。
  • 血液検査(HIV抗原・抗体検査)
    HIV感染の有無を調べます。
  • 追加検査(必要に応じて)
    感染初期が疑われる場合や、他の性感染症との同時検査を行うことがあります。

検査結果の説明は、患者さんの理解や気持ちに配慮しながら丁寧に行います。

当院で行う治療

HIV感染症と診断された場合、適切な医療につなげることが最も重要です。

  • 専門医療機関へのご紹介
    HIV治療は専門的な管理が必要なため、速やかに連携医療機関をご紹介します。
  • 治療開始後のフォロー
    通院や検査に関する相談、治療継続のサポートを行います。
  • 他の性感染症の確認・対応
    合併しやすい感染症についても、必要に応じて検査・治療を行います。

現在の治療では、抗HIV薬を継続内服することで、ウイルス量を抑え、他者への感染リスクも大きく低下させることができます。

こんな症状は早めにご相談ください

次のような場合は、早めの受診・検査をおすすめします。

  • 不特定の相手との性行為があった
  • パートナーがHIV感染症と診断された
  • 原因不明の発熱や発疹が続いている
  • 他の性感染症を繰り返している
  • 不安が強く、検査を受けるか迷っている

「検査を受けるのが怖い」「誰にも相談できない」と感じている患者さんも少なくありません。
HIVは早く知ることが、その後の人生を守る第一歩です。気になることがあれば、どうぞ安心してご相談ください。

肝炎ウイルス(B型肝炎・C型肝炎)

肝炎ウイルスとは

肝炎ウイルスには幾つかの種類がありますが、日本国内でとくに注意が必要なのが、血液などを介して感染するB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスです。
B型肝炎・C型肝炎は、肝炎ウイルスに感染することで肝臓に炎症が起こる病気です。いずれも血液や体液を介して感染し、B型肝炎は性感染症として感染することがある一方、C型肝炎は性行為による感染はまれとされています。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、精液や膣分泌液にも含まれるため、コンドームを使用しない性行為で感染する可能性があります。
一方、C型肝炎ウイルス(HCV)は、主に血液を介して感染し、医療行為や注射針の共用などが主な感染経路です。
感染しても初期には自覚症状が乏しいことが多く、知らないうちに慢性化しているケースも少なくありません。慢性肝炎が進行すると、肝硬変や肝がんへとつながる可能性があるため、早期発見と適切な管理が重要です。

主な症状

感染初期や慢性期では、症状がはっきりしないことも多くあります。

  • 全身のだるさ、疲れやすさ
  • 食欲不振、吐き気
  • 発熱
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 尿の色が濃くなる
  • 健康診断の血液検査で肝機能異常を指摘される

「体調不良が続いているが、忙しくて受診できなかった」「症状が軽いので様子を見ていた」という患者さんも少なくありません。

放置するとどうなる?

B型肝炎・C型肝炎を放置すると、次のような経過をたどることがあります。

  • 慢性肝炎へ移行する
  • 肝硬変が進行する
  • 肝がんの発症リスクが高まる
  • 全身状態が徐々に悪化する

特にC型肝炎は、長年かけて静かに進行することが多い病気です。
現在は治療法が進歩しており、早期に治療を行えば治癒が期待できるケースも増えています。

当院で行える検査

患者さんの不安に配慮しながら、必要な検査を行います。

  • 問診
    感染の可能性、既往歴、健康診断の結果などを伺います。
  • 血液検査
    B型肝炎ウイルス抗原・抗体、C型肝炎ウイルス抗体を調べます。
  • 肝機能検査
    肝臓の炎症や障害の程度を評価します。
  • 超音波検査(エコー)
    肝臓の状態を確認し、慢性化や合併症の有無を評価します。
  • 低線量CT検査(必要に応じて)
    肝硬変や腫瘍性病変が疑われる場合に行います。

検査結果は、患者さんに分かりやすく説明し、今後の対応を一緒に考えます。

当院で行う治療

B型肝炎・C型肝炎の治療は、ウイルスの種類や病状に応じて異なります。

  • 経過観察
    肝機能が安定している場合は、定期的な検査で慎重に経過をみます。
  • 専門医療機関へのご紹介
    抗ウイルス治療が必要な場合は、連携医療機関へ速やかにご紹介します。
  • 治療後のフォローアップ
    治療後の経過観察や定期検査を当院で行います。
  • 生活指導
    アルコール摂取や生活習慣についてのアドバイスを行います。

患者さんの生活背景や不安を踏まえながら、無理のない治療方針を一緒に検討します。

こんな症状・状況は早めにご相談ください

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 健康診断で肝機能異常を指摘された
  • パートナーがB型肝炎またはC型肝炎と診断された
  • 不特定の相手との性行為があった(特にB型肝炎)
  • 原因不明のだるさや食欲不振が続いている
  • 過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない

「症状がないから大丈夫」「今さら検査しても…」と感じる方もいらっしゃいますが、知ることが、将来の健康を守る第一歩です。
不安な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。