排尿障害とは

排尿障害とは、「尿が出にくい」「途中で止まる」「残尿感がある」「漏れてしまう」など、排尿に関する異常を総称した言葉です。
加齢による変化としてみられることもありますが、背景に病気が隠れている場合もあるため、症状が続くときは注意が必要です。

主な原因

排尿障害は、尿の通り道や膀胱の働き、神経や筋肉の状態など、さまざまな要因によって起こります。

  • 尿道の通り道が狭くなる
    尿道が狭くなったり圧迫されたりすると、尿が出にくくなります。通過障害により、排尿に時間がかかったり、勢いが弱くなることがあります。
  • 膀胱の収縮力の低下
    膀胱の筋肉の力が弱くなると、尿を十分に押し出せなくなります。加齢や神経の働きの低下が関係することがあります。
  • 神経の異常
    排尿は神経によってコントロールされています。脳や脊髄、末梢神経の異常により、排尿がうまく調整できなくなることがあります。
  • 骨盤底筋のゆるみ(女性に多い)
    出産や加齢により骨盤底筋が弱くなると、尿もれや排尿困難が生じることがあります。
  • ホルモンバランスの変化(女性)
    閉経前後の女性ホルモン低下により、尿道や膀胱の機能が変化し、排尿しづらさを感じることがあります。
  • 炎症・感染
    尿路に炎症が起こると、排尿時の違和感や残尿感が生じることがあります。
  • 全身状態の影響
    血糖値の異常や循環機能の変化など、全身の病気が排尿機能に影響することがあります。

排尿障害に隠れている可能性のある疾患

排尿の異常は、体からの重要なサインであることがあります。

  • 前立腺肥大症(男性)
    尿道が圧迫され、尿が出にくくなります。
  • 前立腺がん(男性)
    初期症状が排尿障害として現れることがあります。
  • 膀胱がん
    血尿や排尿違和感を伴うことがあります。
  • 神経因性膀胱
    膀胱の働きがうまくいかずスムーズに尿を出せなくなります。
  • 糖尿病
    神経障害により膀胱機能が低下することがあります。
  • 神経疾患(脳梗塞・パーキンソン病など)
    排尿をコントロールする神経が障害されることがあります。

症状が軽くても、原因を確認することが重要です。

排尿障害に隠れている可能性のある疾患(女性に多いもの)

  • 骨盤臓器脱(膀胱瘤・子宮脱)
    出産や加齢により骨盤底筋がゆるみ、膀胱や子宮が下がることで、尿が出にくい・残尿感・尿もれなどの症状が現れることがあります。
  • 更年期関連泌尿生殖器症候群(GSM)
    女性ホルモン低下により尿道や膀胱が萎縮し、排尿困難感や頻尿、違和感が起こることがあります。
  • 腹圧性尿失禁
    咳やくしゃみで尿が漏れる状態で、出産後や中高年女性に多くみられます。
  • 子宮筋腫
    子宮が大きくなり膀胱を圧迫することで、排尿障害や残尿感を引き起こすことがあります。

こんな症状は要注意

  • 急に尿が出なくなった
  • 血尿を伴う
  • 発熱を伴う排尿痛がある
  • 排尿に強い痛みがある
  • 強い残尿感が続く

これらの症状がある場合は、早めの受診が必要です。

当院で行える検査

  • 尿検査
  • 血液検査(腎機能・血糖など)
  • 超音波(エコー)検査
  • 残尿測定
  • 尿流量測定(ウロフロメトリー)
  • PSA測定(男性)
  • 低線量CT

必要に応じて専門医療機関との連携を行います。

治療について

原因に応じて治療を行います。

  • 排尿機能改善薬
  • 抗菌薬治療
  • 前立腺肥大症に対する内服治療および外科的治療
  • 生活習慣の見直し
  • 専門医療機関への紹介

症状と検査結果を踏まえ、適切な治療をご提案します。

受診の目安

  • 排尿の異常が2週間以上続く
  • 夜間頻尿が増えている
  • 排尿に時間がかかる
  • 検診でPSA異常を指摘された

排尿障害は、放置すると悪化することがあります。
気になる症状があれば、お早めにご相談ください。