尿失禁とは
尿失禁の原因は様々ですが、膀胱と尿道を支える骨盤底筋が傷んだり、弱まることが原因で起きることが多いと言われています。膀胱炎や前立腺肥大症、過活動膀胱、脳卒中などの患者さんも尿失禁になりやすいです。
なお、尿失禁は男性にもみられますが、女性の方が尿道が短く真っすぐな形状なので、女性の患者さんによくみられます。
尿失禁にはいくつかのタイプがあります。
- 腹圧性尿失禁:くしゃみや咳、重いものを持ったときなど、お腹に力が入った際に尿がもれるタイプです。
- 切迫性尿失禁:急に強い尿意を感じ、トイレまで我慢できずにもれてしまうタイプです。
- 混合性尿失禁:腹圧性と切迫性の両方の特徴をあわせ持つタイプです。
当院では、問診や各種検査によって診断し、主に内服治療を行います。
さらに、患者さんのタイプを見極めたうえで骨盤底筋体操を取り入れたり、手術療法を検討したりすることもあります。
主な症状
- 咳、くしゃみ、階段の昇り降り、運動時の尿漏れ(腹圧性)
- 急に我慢できない尿意で漏れる(尿意切迫・切迫性)
- 排尿後も尿が残り、あふれるように漏れる(溢流性)
- 夜間トイレ往復時の尿漏れ
- 下着や皮膚のかぶれ、ただれ(失禁が続く場合)
放置するとどうなる?
- 外出や運動の制限、外出時の強い不安
- 睡眠の質の低下や体力・集中力の低下
- 尿が触れることで起こる皮膚炎やかぶれ
- 膀胱の過敏状態の慢性化、失禁の固定化
- 尿路感染症を合併しやすくなる(切迫性・溢流性などに関連)
診断方法
失禁タイプの判別と、膀胱・尿道の状態評価が重要です。
当院では以下を組み合わせて評価します。
- 問診
尿漏れの起こる状況、回数、生活への影響 - 尿検査
感染や血尿の有無の確認 - 残尿測定
排尿後に尿がどれくらい残っているか - エコー検査
膀胱・前立腺スクリーニング - 尿流量測定(ウロフロメトリー)
尿の勢い・排尿時間を数値で評価
治療方法
- 薬物療法
切迫性には膀胱収縮を抑える薬、溢流性には排尿を助ける薬など - 骨盤底筋トレーニング
腹圧性や混合型の改善サポート - 生活指導
カフェイン・アルコール調整、便秘対策、冷え対策、適切な飲水管理
必要時は専門医療機関と連携し精密評価や手術療法を検討します(適応は慎重に判断します)
生活で気をつけるポイント
- 便秘を防ぎ、腹圧による膀胱・尿道への負担を軽減
- カフェイン・アルコールを控えて膀胱過敏の誘因を減らす
- 体を冷やさない(血流や膀胱収縮に影響します)
- 適度な運動で骨盤底筋や体幹筋力を維持
- 水分を極端に控えすぎない(誤った対策で脱水になることがあります)
こんな症状は早めにご相談ください
- 外出や睡眠に支障が出ている尿漏れ
- 尿意切迫が強く我慢が難しい
- 尿が出し切れない、尿があふれるように漏れる
- 皮膚の炎症や痛み、ただれ
- ほかの治療で改善しない/検診で異常を指摘された
咳やくしゃみ、急な尿意、排尿後の尿の残りなど、尿漏れのタイプや頻度の変化で生活に支障が出ていませんか?当院ではタイプの判別から検査、治療、生活改善まで一緒に改善を目指します。