腎不全(慢性腎臓病)とは
腎不全とは、腎臓の働きが低下し、体内の老廃物や余分な水分を十分に排出できなくなった状態をいいます。
腎臓は、血液をろ過して尿を作るだけでなく、血圧の調整や電解質のバランス維持など、全身の健康を支える重要な臓器です。
腎機能は徐々に低下することが多く、初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、健康診断の血液検査や尿検査で初めて指摘されることが少なくありません。
慢性的に腎機能が低下した状態は「慢性腎臓病(CKD)」と呼ばれ、生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)と深く関係しています。
当院では、血液検査・尿検査をもとに腎機能を評価し、進行予防を中心とした内科的管理を行います。
主な症状

腎機能低下の初期には、ほとんど症状がありません。
進行すると、次のような症状が現れることがあります。
- むくみ(特に足やまぶた)
- 倦怠感
- 食欲低下
- 息切れ
- 尿量の変化
しかし、多くは無症状で進行するため、定期的な検査が重要です。
放置するとどうなる?

腎機能の低下を放置すると、次のような問題が起こる可能性があります。
- 腎機能のさらなる悪化
最終的に透析や腎移植が必要になることがあります。 - 高血圧の悪化
腎臓と血圧は密接に関係しており、悪循環を生じることがあります。 - 心血管疾患のリスク上昇
腎機能低下は、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。 - 電解質異常
カリウム値の上昇などにより、不整脈の原因となることがあります。
早期の段階から進行を抑えることが重要です。
診断方法

腎不全の診断では、腎機能の数値と経過を総合的に評価します。
- 血液検査
クレアチニン、eGFRを測定し、腎機能を評価します。 - 尿検査
蛋白尿や血尿の有無を確認します。 - 尿アルブミン測定
腎障害の早期発見に重要です。 - 超音波(エコー)検査
腎臓の大きさや形態を確認します。 - 低線量CT検査
尿路結石や尿管癌など、腎機能を低下させる他の要因がないかどうか確認します。
必要に応じて、専門医療機関と連携して精密検査を行います。
治療方法
腎不全の治療は、「腎機能を守ること」が中心となります。
原因疾患の管理
- 高血圧の厳格なコントロール
- 糖尿病の血糖管理
- 脂質異常症の管理
生活習慣病の管理が、腎機能保護につながります。
食事療法
- 塩分制限
- たんぱく質の調整(必要に応じて)
- 適切な水分管理
状態に応じて無理のない範囲で指導を行います。
薬物療法
- ARB/ACE阻害薬
腎臓を保護する作用があります。 - SGLT2阻害薬
糖尿病合併例で腎保護効果が期待されます。
患者さんの状態に合わせて治療を選択します。
専門医療機関との連携
腎機能が一定以上低下した場合や、透析が必要と判断された場合には、腎臓内科専門医と連携し適切な時期にご紹介します。
生活で気をつけるポイント
- 定期的な血液・尿検査
- 市販の鎮痛薬の過度な使用を避ける
- 脱水を防ぐ
- 生活習慣病の継続管理
- 自己判断で薬を中断しない
腎機能は一度低下すると元に戻りにくいため、「進行させない」ことが大切です。
こんな場合は早めにご相談ください
- 健康診断でeGFR低下や蛋白尿を指摘された
- むくみや倦怠感が続く
- 高血圧や糖尿病がある
- 尿量が急に減った
腎不全は早期からの管理が将来の透析予防につながります。
症状がなくても、まずはご相談ください。